【外食広報のブログ】クリエイティブなPRになる!

デジタル化がますます進む中で、次世代広報に必要なクリエイティブなPRについて考えます。

【読書メモ】PRパーソンのバイブル『戦略PR』との出会い

「新店がオープンします!ぜひ来てください!」
「僕が働く店が今度オープンするんだよね、よかったら予約いれてよ。」
「いい店ですよ、絶対来てね!」

 

新店がオープンするときによく耳にするフレーズだ。

1つ目のフレーズは、住んでる周辺にお店がなければ興味を持ってくれるだろう。
2つ目のフレーズは、『知人』という特別枠でお店に足を運んでくれるだろう。
でも3つ目のフレーズの『いいお店』ってなんだろう?

前回もかいたけれど、

そもそも『いい○○』ってなんだろう?

受け手やシュチュエーション、極端にいえば時代の流れでどんどん変わるものではないか?、ずっとそう思っていた。

だってベジタリアンの人はステーキハウスには行かないし、
お酒が飲めない人にいくらアルコールメニューを進めても何の意味もない。
むしろそういう人に『これ、すごくいいですよ!』といっても愚問だし、うざったくなること間違いなしだ。

ずっともやもやしている時にある書籍に出会った。

戦略PRプランナーとして数々の偉業を成し遂げられている
(面識はないが私の認識ではとにかくスゴイお方である)

ブルーカレント・ジャパン代表の本田哲也氏の書籍、『戦略PR』である。

 

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◇数年前の『戦略PR』との出会い
私が『広報』の世界に無知で飛び込んだことは前述したが、それでも本くらいは読んでいた(笑)

広報の仕事をなんとなくし始めた当時、メディア対応は
『取材依頼が入ったら受ける』という受け身の状態で“作業”として行われていた。

私はそのメディア対応を“攻め”の体制にするべく、取材を積極的に獲得していく事を念頭に、雑誌・TV・新聞など多方面のメディアとのリレーションづくりに毎日励んでいた。

私にとってはさほど難しくなかった。
なぜなら今まではお客様に説明してメニューや空間を売っていたが、対象がメディアになり、売る(伝える)ものは情報だったというだけだったからだ。

それでもなんか『受け身』な気がしていて、どうしたもんかと悩んでいた時にこの本に出会った。

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『衝撃的』、だった。
そこにはたくさんの事例とともに『空気をつくってヒットを生む』方法が書かれていた。

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サントリーの『ハイボール』、ダノンの美魔女『ヨーグルト』、アディダスの『迷走ランナー』、花王の除菌できる洗剤『アリエール』・・誰でも知っている会社や商品の事例がたくさんあり、イメージもわきやすかった。

全てにロジックに基づいた根拠があり、読んでいてとてもためになったのを鮮明に覚えている。

その続編(いや、むしろパワーアップヴァージョン!)が発売され、さっそくいつものAmazonさん頼みですぐに購入した。

 
『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』

タイトル見る限り、買うしかない!!

1回読み、2回読み、3回読んだうえで、自分なりの解釈をまとめてみた。長くなったので、次回に記してみたいと思う。

 

 

【なぜ大学院に通おうと思ったか?】未知の世界だった『広報』の扉をたたくまで

大学院に行くきっかけを記す前に少しだけ私のバックボーンにふれようと思います。
興味がない方は・・・すみません。。。お付き合いください<m(__)m>

◇転職回数10回以上?!そこから得た気づき

さまざまな人に『自分』というフィルターを通して何かを伝え、訪れる“きっかけ”をもたらすことにすっかりはまってしまった私は、少しの興味と浮気心でアパレルなどもかんだことはあったが、長年外食業に従事している。

ホールスタッフやレセプショニストとして働いているときは、自分指名のお客様をつけるために毎日必死だった。

幸い、人の顔を覚えるのが得意だったので食の好みやどんなシュチュエーション(時に知らないふりをするオトナな対応も必要!)で来店されたか、お名前や誕生日などの情報と合わせてお客様ノートをつくり、日々書き記した。

それは転職して店が変わっても同じだった。
1杯300円のコーヒーショップから始まり、タイ料理、和食、イタリアン、フレンチ、カフェ、ステーキハウス・・・

どんな場所に行っても私についてきてくれるお客様もいて、今でもありがたいことに交流させて頂いている人もいる。

私の個人的な主観だけれど、飲食を志す者で特に学生時代のアルバイトとかではなく腰を据えてやってきたい人においては、「○○(メニュー名)を出してるから働きたい!」というのはあまりないと思っている。(もちろん、そのメニューがよっぽど好きな場合は別として)

食べ物屋として食べ物にこだわりがないのではなく、共に働く人、雰囲気、空気感、もちろん条件面・・・あげればキリがないけれど、働きたい理由はなければ作ってしまえばいい!

そう、コンテンツはいくらでも作れるのだ。

いいと思うメニューやフェア、特典・・・飲食店で販促と言われる多岐にわたるコンテンツは作り続けた。でも発信する術を知らなかった。

今でも飲食店の販促と言えば
・ビラ配り/ポスティング
・●●ログ、●●●ペッパー
SNS
などなんとなくイメージつくものしかでてこないのが大半の人であろう。

いいものは作れても発信する術がわからない。ましてや、相手にとって本当に『いいもの』なのかもわからない。

◇『いいもの』って何?そこから広報の仕事が始まった

6年前、ホールスタッフとしては致命的な身体の欠陥が見つかり、転職活動をしていた。

現職の会社に面接で発信をすることの難しさについて話すと、
『だったらそれを君がやったらええやん!』
代表のその一言で、まだ見ぬ『広報』という世界に飛び込んだ。

 

そうして飲食店舗の現場でお客様にサービスする立場から、店舗の良さや強みを分析し、市場にあった情報を武器にメディアとのリレーションをとる立場になったのだ。

先輩広報なんていなかったから、HOW TOもTO DOも教えてくれる人なんてもちろんいなかった。とりあえず毎日死ぬ気で働いて、がむしゃらに走り続けた。

メディアキャラバン、プレスリリース作成、取材対応・・・
毎日めまぐるしく過ぎ、終わったと思ったらまた新店、開店したらまた新店。
その繰り返しだったが、毎日めちゃくちゃ楽しかった。

けれど、スマホの普及、IoTやAIの発達・・・
時代の流れとともにSNSやグルメ口コミサイトなどが飲食店舗の情報収集元として主力となり、メディアに掲載されても実直に売上や来店に繋がらない実情がある中、1店舗を出店するにしても、1メニューを展開するにしても、時代の流れや一歩先読みした戦略的な広報活動をするための知識や技術が必要だと切に感じた。

会社の企業価値向上、個店ごとの販促に加え、会社という大きな社会の中の1つのコミュニティとして社会に貢献できる“食”を通した可能性を広げるような“何か”をできるようになる。

それが私が大学院の門をたたいた”きっかけ”なのです。

授業も始まって約2か月、まだまだ自分の中でインプットすらできてないこともたくさんあるかもしれない。だからこそブログを通して色々なことを書き記すことで軌跡を残していけたらと思っている。

『広報』とは実務としては覚えることもやることもたくさんあるし、いろんな時代の先駆者が定義もいっぱいしているけど・・

私は『伝えたい』という想いが根底にあり、どうやったら伝わるか、心底悩み苦しめる人ならできると思っている。

実はそういう悩んでいる時間が一番楽しいと思っちゃったりもしている。(笑)

長くなってしまいましたが、次回からは課題図書や気になった本、また学びながら感じたことを記していきたいと思います。

【はじめに】ブログ開設にあたって

2017年4月、私は大学院生になった。
といっても会社を辞めたわけではなく、社会人のための大学院で
その名も社会情報大学院大学
日本初の広報・情報学のプロフェッショナルを育てるための専門の社会人大学だ。
 

大学院なの?大学なの?とよく言われるが、学部を置くことなく大学院をおく
大学なのですが、ますますわからなくなりそうなので気になる方はコチラから。

ここは大学のような学部生でアカデミックな勉強をするという場ではなく
社会人としての経験を積み、そのうえで自己の課題を解決するために学び、吸収しながら『広報・情報学』の専門分野を学んでいく場だ。

入学して約2か月、とりあえず仕事と学校とのリズムをつかむのにまだ精一杯ではあるけれど、吸収できることは想像以上に大きい。

ひたすらインプットしていき講義で聞いた文献を買っては読み、買っては読み、の繰り返しで最近はもっぱらAmazonの箱で部屋がうめつくされている。。。

そんなこんなで、いま自分の考えに幅を持たせ始めているからこそ
『インプットしたことをアウトプットしていく』 ためにブログを始めることにした。

人が自分の意志で何かを始めるときには必ず”きっかけ”があると思う。

自分が大学院に行くと決めたのは、本当に偶然の”ばったり”な出会い(今考えれば必然だったのか・・)が重なり、エントリーも締切ぎりぎりの滑り込みセーフだった。

同業界の諸先輩方、他業種の広報さんからたくさん事例も聞いたり、セミナーに参加して『広報がやる仕事や経験談』は吸収する場はたくさんあった。

それでも私がこの大学院で自発的に学びたいと前のめりになった理由について、
このブログを通して飲食の現場にいる人や、広報を始めたばかりの人・・・
少しでも興味を持ってくれた人に伝えていければと思う。

稚拙な文章やつっこみどころは満載かもしれないが、文章を書くことは好きなのでぜひお付き合いいただきたいです。

そもそも私が何者かというと、外食企業でおもに企業広報・店舗広報を担当している。
学生時代のアルバイトから考えると約20年ほど、飲食の世界にどっぷりはまってきて
カフェ、イタリアン、エスニック料理、高級ステーキハウス・・・
業態業種は問わず、何回転職しただろう・・・(笑)

「様々な業態を経験したかった」といえば聞こえはいいが、ただ単に飽きっぽかっただけなのだ。 長年、飲食の現場にいながらもソムリエとかの資格もないし、店長経験もマネージャー経験もないし、もちろん突出した技能も特にない。それでも長く続けてきたのには一つある。

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さまざまな人に『自分』というフィルターを通して何かを伝え、訪れる”きっかけ”をつくること

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が楽しかったのだ。

例えば、レストランのウェイターは、訪れる人の目的やシュチュエーションに合わせて『食卓をコーディネート』する。デートで訪れるカップルがいるとしたら、付き合いたてなのか、熟年カップルなのかによっても席の感覚やサービスの仕方もまるで違う。

一度心をとらえられたゲストはまた同じウェイターを指名する。ウェイターは同じメニューや空間でも『この人に接客してもらいたい』と思わせられる仕事なのだ。

毎日何十組とゲストが訪れる中で、毎日毎日訪れる人の“きっかけ”を四六時中考えていた。何でそんなわざわざ手間のかかることしてるの?と言われても考え続けた。

だって、レストランは『誰かと』、『○○のために』という、なんとなくでも『目的』があり”わざわざ”お金を払って外食をしにきているのだから・・

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さまざまなシュチュエーションから『想像』し、その時間や空間を1組1組のゲストのために『創造』する

○想像:実際に知覚に与えられていない物事を、心の中に思い浮かべること。
○創造:人まねでなく、新しいものを自分から作り出すこと。

ウィキペディアより

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まさしく、私の考える現場で行う『広報』であり、もしかしたら私の『広報』としてのマインドはそこからスタートしていたのかもしれない。 

そんな私がなぜ広報・情報学の専門大学院に行くようになったのか?

『大学院に行くこと』が目的ではなかったし、ましてや『広報のプロフェッショナルになる』という将来設計があるわけでもない。(一期生というところに魅力を感じたのは事実だけれども・・・)

その理由については自身の経験と共に次回記したいと思います。